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2014.10.22

【VOICE PLUS INTERVIEW vol.1】三輪コウダイ

Q 音楽塾ヴォイスで講師をされるようになったきっかけを教えてください。

「西尾先生が活動されていたバンド(voice)のギター担当の方からの紹介です。」

Q 音楽塾ヴォイス以前はどうされていたのですか?

「ライブ活動やライブハウス、イベントでのPA等のオペレーターをしていました。」

Q 講師や音楽制作は音楽塾ヴォイスに入ってから始めたんですね。
西尾先生からは、新人講師時代はかなりの勉強家だったと聞いています。

「実際、生徒に教えるとなると僕自身が生半可な理解では到底無理なので、改めてかなり勉強しました。それを経て、指導にあたる事で僕も更に学べますし、生徒に対して自信を持って指導出来ます。
もちろん今現在も生徒と一緒に分析や歌う事で新しい角度や発見、意味を見いだす事が楽しくてしょうがありません。」

Q 「得意というレベルではありません。ピアノは講師になってなんとか弾けるようになりましたし、楽器経験はギターとパーカッション、アレンジの方もカバー曲等のカラオケ作りや、少々のオリジナル制作をしていたぐらいでした。
全て申し訳ないくらいの中途半端なレベルでしたが、Voiceでの分析のおかげで様々なアイデアや一般的な目線、欲している音、雰囲気が理解できるようになってきました。」

Q ヴォイス+での音楽制作は主にどのような流れで行われるのでしょうか?

「まず最初に西尾先生から弾き語り音源が送られてきます。 それに対して第一弾のラフアレンジを開始します。
曲によって様々なんですが、参考曲があったり、ライブやPV、後の歌詞のイメージを教えて頂いたり、時には”お前のセンスで!”という丸投げパターンもあります。(笑)

こんな感じで、基本的には自由な感じでやらせていただいたラフアレンジで方向性を何度も確認して頂きます。基本平均30回ぐらい修正していくのではないでしょうか。
中には、方向性が全く違ってしまっていて、最初から全部やり直しというのも結構あります。それらを経て問題が無いようになれば、ガッツリと作り込んでいき、必要に応じてガイドボーカル、ガイドコーラスを録音し、DEMO、インストとして提出します。

その後、西尾先生、各アーティストが歌詞をまとめプリプロが開始され、アーティスト自身のメインボーカル、コーラストラックを受け取り、仮ミックス、その後何度かの修正指示を経てアレンジ、仮ミックスの終了、更にリリース時期になると、楽器の演奏差し替え、元々は打ち込みを生楽器差し替え等、更に細かい修正を繰り返し、本ミックス終了です。」

Q 一連の作業の中で一番感動したこと、または癒された瞬間、反省したことなどなんでも良いので今だから言えるもしくはここだけの話を一つ教えて下さい。

「現場経験の無いアレンジャー1年生として、初めて生のストリング録音に立ち会わせて頂いた時は感動と癒しが半端なかったですね。溶けました(笑)」

Q 音楽塾ヴォイスのレッスンの中でも同じような体験はありますか?

「音楽塾ヴォイスでは半年に1度パフォーマンスレッスンという生徒の皆さんの前で発表する機会があるんですが、そんな緊張感漂う中で、数年前まではギターの覚えも人一倍遅く、音程も合う事の方が珍しいような生徒が地道に練習を重ね、人をグッと引きつける演奏と歌を披露してくれた時は何とも言えない感動で、講師冥利に尽きます。
更には演奏後に生徒間のシビアな投票というのも行われましたが、その生徒は見事、目標数の票を獲得していました。絶対に諦めない事の大切さと、周りに流されず自分を信じて頑張れば、成る!という事を改めて教えられました。」

Q 過去に関わった作品で一番印象に残っている作品は?

“太陽の女神”です。
フジテレビ“月9ドラマ”の主題歌という事もあり、放送日直前まで番組プロデューサーから何度も手直しを命じられ、睡眠不足が続きましたが、結果的にオリコンウイークリー7位を獲得し、第55回日本レコード大賞優秀楽曲・編曲賞を頂いたので努力した甲斐があったかなと。」

Q 関わったアーティストとのエピソードなどがあれば教えて下さい。(家入レオ、玉城千春など)

「家入さんのデモ録音の前には、よく主人公のイメージや立場、感情を一緒に膨らませて把握してました。
例えば、“私(主人公)は今、朝4時に誰もいない地元の街角をふらついている。お風呂に入ったのは1週間ぐらい前かな?思いっきり泣き叫んでるけど、実際に声は発してないね!”等々です。

玉城さんの時はヴォイトレを経てようやく声が戻っきてからの録音だったので、基礎を間に挟みながらの録音でした。
録音途中で玉城さんが“うぉ~~~いぃぃ!”みたいな野太い声を発し出したので何事か!?と思い訪ねると、“私、ソフト部だったんですよ!これやったら声が響くイメージが掴みやすくて!”との事。なるほどと思い僕はノックみたいな素振りをやった記憶があります。」

Q 音楽塾ヴォイスの講師長でありながら第一線のメジャーで活躍されるクリエーター、サウンドプロデューサーでもあるわけですが、やりがいはどんなところにありますか?

「僕は、生徒やアーティストの好奇心旺盛で、いい意味でのワガママな所が大好きなので、それに力の限り応え、結果的に満足してもらえる事にやりがいを感じています。メジャーのアーティストの制作をしながらも、目をキラキラさせてるギター初心者とFを何回も弾いたり、歌が大好きな生徒と一緒に汗だくで歌って教えれる環境にとても感謝しています。そして、共にそんな時間を過ごした生徒がプロの世界に巣立ち、伸び伸びと活躍している姿を見るととても嬉しいですね。」

Q それらの経験は普段のレッスンにどういうふうに活かされていますか?

「生徒さんが作ってきた曲に対して、更に広がり濃くなる様に分析曲を提示したり、違うパターンを何パターンが示唆させていただく事で、曲の持つ可能性を生徒さん自身に感じていただき制作してもらっています。」

Q 音楽塾ヴォイスの講師として培われた経験がメジャーのフィールドで役に立つ事はどんな時ですか?

「講師として勉強できた事のほとんどが役立っていますが、その中でも判断力!です。
いい作品を分析させていただくと、やはり何処をとっても意味があります。メロディ、構成、進行、リズムはもちろん、様々な奥行きの出し方、バランス、受け渡し、フック、etc…で成り立っています。
これらの分析、応用を経て、技術や引き出しが増えていくと、様々な角度から曲の展望を見定める事ができるようになってきますが、基本的にオリジナルというのは一つしか存在せず、書き換えはできません。ですから、そうした総合的な視野での判断力が特にメジャーでの制作には必要だと感じてます。」

Q 西尾先生はどのような存在ですか?

「いつも僕らの背筋が自然とピンとなる、まさに“先生”です。」

Q 変化も激しく厳しい状況の続く音楽業界ですが今後の目標、豊富などをお聞かせください。
(講師長、音楽家の両面から)

「西尾先生の教え通り、ヴォイスではその時々の流行に沿った指導はまったく行っていませんから、世の中の音楽情勢がどうなろうと何も心配はしていません。ですが、厳しい世界というのは常々感じ、増してきています。
voiceの生徒さんが厳しいレッスンとオーディションの末、勝ち取ったメジャーデビューもスタート地点に立ったに過ぎませんし、そこからが本当の勝負になってきます。

そこで、我々voiceの講師はデビューさせる事を目標にさせるのではなく、まだギターも上手く弾けない時点から、メジャーの世界でも長年通用するように育てる意識でレッスンに取り組んでいます。ですから、向上心が止む事なく上昇し続けるvoiceの姿勢を先頭に立ってリードしていきたいと思います。」

Q ヴォイス+では良質な音楽、100年後も色褪せない音楽を作りたい!というアーティスト、クリエイターも広く募集しています。そういった方へのアドバイス等あればお願いします。

「繰り返しになりますが、洋楽、邦楽問わず特にメジャークラスの曲分析を続けていくと正直、講師になる前の自分がいかに自己中心的だったのかというのを思い知らされます(笑)。
ヴォイス+では作詞、作曲、編曲等、手直しやダメだしがやや多くなってきます。確かにその瞬間はつらい事なのですが、それが何よりの勉強になってくるんです。そしてそれらを乗り越えた時の達成感、新しい見解、技術は確実にスキルアップに繋がってくれます。
だからある意味学校、音楽塾ヴォイスの延長上なので、“ヴォイス+”なんですね。」

【西尾芳彦から見た三輪コウダイ】

今では講師長、アレンジャー、作詞・作曲家といったいろんな顔を持つ音楽家、三輪コウダイですが、
まず講師長の彼から紐解いていくと・・・

音楽的に自分が分からない事に関してとことん追求し、納得いくまで修練を積み重ねる。
その習得したものにオリジナルな方法を加えて、第三者に分かりやすく粘り強く丁寧に、時にはビックリするほど恐く吠えながら、情熱を持って音楽を伝えようとする、正に名コーチですね。

実は!彼の性格は超が3つくらいつくほど真面目だと思います。そして驚くほど我慢強い。
そしてびっくりするくらい優しい。(ちょっと褒めすぎ?)
だからこそ、ヴォイスに入ってから楽器のスキルも編曲能力も作詞作曲の技術もあそこまで成長したのだと思う。

元々彼は音楽好きな優しいお兄さんで、「人生頑張っていればなんとかなる!」、の精神で生きてきたタイプなんじゃないかと思います。
しかし、少々人生の厳しさに気付き始めて、音楽塾ヴォイスの門を叩いたんじゃないかと。
もしかしたら音楽で飯が食えるようになって、いずれ夢の印税生活!?なんて思ってたんじゃないかな?(この件についてやんわり今度聞いといて下さい(笑))

音楽塾ヴォイスに入って一から音楽を学び直し、そろそろ3年が過ぎようとした頃に、ある不安を僕にぶつけてきた。
内容は確か、この先ヴォイスはどうなりますか?ヴォイスの将来は大丈夫ですか?というような事だったと思う。
その答えとして僕は、「今は自分の技術を上げる事だけを考えろ。練習して勉強して練習して・・・その繰り返しですよ。結果は後から必ずついてくるから。そして音楽塾ヴォイスは必ず全国区になるから。」なんだかそういう事を含め、熱く語った記憶があります。

その後の彼は大変身して何かに憑りつかれたようにピアノやギターの楽器練習、課題曲の分析などに取り組み始めた。
その変貌ぶりには目を見張るものがあった。そして確実に技術が上がってきたのもその頃からだったと思う。

そもそも楽曲の分析たるや、非常にややこしくて難しい。
自分なりの勝手な解釈もまかり通ってしまう部分もあるので答えが一つではない・・・どころか、いくつもあったり正反対と思えるようなものでも実は正解の範疇だったりする。
こんな複雑な事も含め彼には作詞・作曲理論や実践、細かい分析方法・アレンジに至るまで、繰返し繰返し教えてきた。
時には自分でも厳しすぎるかな?と思えるくらい叱咤激励しつつ、徹夜してでも考えてこい!と突き放した事も何回かあった。
そんな時でも彼は不平不満は一切言わず、黙って何度も修正してきた。その過程に於ける音楽に対する情熱が今日の彼を作ってきたと確信しています。

彼が自分のアレンジに気持ちよくのせたボーカルがあって、そのラフな歌い方が曲にもすごくマッチしていて、「いい声だな、かっこいいな・・・こんな歌い方もあるんだな」と新しい発見があったり・・・。
最近特に成長著しく、作詞・作曲技術に於いても、メロディの引き出しが多彩になり、いろんな種類の楽曲が作れるようになってきた。
これは僕には創れないメロディだな、と感心することも多くなり、これは近い将来追い越されるかも!?とちょっと不安になったり(笑)。師匠と弟子とは言いながらも、どこかでライバルだと思っているので「負けてなるものか!」という反骨精神が自分の中にも湧いてきたり。それは音楽を続けていく中で重要な動機となっている。

音楽好きの優しいお兄さんが、今では日本レコード大賞の編曲賞までとるようになった。まさに継続は力なり。

・・・そんなこんなで今日まで二人で、共作を含め何十曲も完成させ、世に送り出してきた。
その度に新しい発見があり、また次の課題も見つかった。
だから挑戦し続ける。
彼にはこれからももっともっと勉強して、音楽家として努力を続けていってほしい。
いつか必ず日本を代表する音楽家になると信じているから。

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